「ビールを彼に」 〜シンガ・タイ旅行〜
こちらですと案内されたボートは思っていたより小さく、せいぜい10人乗りというサイズだった。こんなツアーに果たして人が集まるのかと訝しんでみるが、これは見当違いの心配。私が乗るや否やTシャツのお兄さんが乗り込んできて、エンジンをかけすぐ発進してしまった。まさかのマンツーマンである。
行程は説明通りだった。まずチャオプラヤ川を上っていく。茶色く濁った川は広く、船体は大きく揺れる。去年の秋を思い出した。仕事で毎日この川と向き合っていたからだ。洪水で氾濫し、ホンダなど日本企業の供給網が断たれた。震災からの復興途上にあった日本経済に大きな痛手となった。懐かしい。
運河に面した家々は貧しいように見えた。水に浸かっている柱はぼろぼろで、トタンの屋根も曲がっていた。一方で大型液晶テレビの段ボールがのぞいている家もあった(ただしLG製だ、残念)。みすぼらしいのは外側だけなのかもしれない。意外と高速無線LANが整備されていたりするのかもしれない。
観光客を見かけた。マンツーマンは自分だけじゃない。これが普通?
ボートが速度を緩めたかと思うと、前方にさらにひとまわり小さなボートがいくつか浮かんでいた。民芸品や飲み物を乗せて近づいてくる。ビール2本を持って「こっちはあなた、こっちは彼に」と、運転のお兄さんを指差したりする。とんでもない。1400バーツを忘れたか。私はコーラを1本だけ買った。
by photo-by-kohei
| 2012-08-15 11:36
| Thailand