「14時オープン」 〜シンガ・タイ旅行〜
例えば新宿から私のアパートまで。電車なら190円で済むところ、タクシーだと4000円かかる。家に帰るという目的は一緒なのに、料金にはこれだけの差がつく。お金の使い道を考えるとき、タクシーほど効率の悪いものはない。学生時代の貧乏性がいまだに抜けない。私は公共交通機関・至上主義である。
だがバンコクではそうもいかなかった。バスはよくわからない。地下鉄も2線しかないうえ、寝釈迦で有名なワット・ポー寺院のある王宮周辺までは延びていない。ならしょうがない。私は王宮から一番近いフアランポーン駅(それでも3km以上ある)で電車をおりて、トゥクトゥクに乗ってみることにした。
運転手らがたむろするあたりにいくと、いろいろ声をかけられた。「ワット・ポーまではいくら?」。少しずつ聞いていく。相場はわからないが、2人目に声をかけたおじさんに「25バーツでいいよ」と言われた。25バーツといえば70円くらいである。あれっ、そんなに安いのか。それなら気軽に乗れる。
ところがこのおじさんによると、寺院が開くのは14時ならしい。まだ3時間もある。「それまでの時間、運河を見学できるボートがあるよ」。なんだか怪しい。けど水上から街を眺めるのも悪くない。後部座席に乗り込んだ。トゥクトゥクはブオオオン! と、いかにもエンジンらしい音を立てて走り出した。
by photo-by-kohei
| 2012-08-06 13:05
| Thailand