ご来光にドラマ

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塔はのぼれないように、はしごの下半分が切断されていた


2012.12.30
@Nagarkot, Nepal
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 セリフ「絶景である」にたどり着くまでには、男たちのドラマがあった。ヒマラヤを眺めたナガルコットは標高2000メートルを超える高地にある。冬のネパールでは道が凍る。5時半ころだった。私が車内でウトウトしていると、急にごん、と音がして、車が急停止した。出発から1時間くらいが経っていた。

 つるつるの山道を曲がりきれず、左前輪が側溝に落ちてしまったようだった。車は大きく傾き、右の後輪が50センチほど宙に浮かんだ状態になった。運転手は「SHIT(ちくしょう)!」と、何故かそこだけ英語で叫ぶ。ああ、日の出の時間、せまってるよ。高いお金払ってるんだけどな。私は心配になる。
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 運転手は携帯を取り出し、誰かに電話をかけた。すると意外なことに、男2人が10分もしないうちに助けにやってきた。私を含む4人で車体を持ち上げ、ぐいっと道路側に押し戻す作戦だ。しかしなかなかうまくいかない。車体を持ち上げるところまではなんとかなっても、それ以降はびくともしない。

 何回やってもダメなので、私は提案した。「ひとりが運転席に座ればいいのでは?」「3人でなんとか持ち上げて、その瞬間に車をバックさせればいいのでは?」。運転手と男2人はなるほど、という顔になった。まず男が鉄棒でがんがんと法面を突き、はがれ落ちた岩で側溝に落ちたタイヤの下を埋める。

 最初はほとんど進まなかった。だが諦めない。少しずつ岩や土を落っこちたタイヤの下に敷き詰め、2度、3度とバックを試みる。ようやくタイヤが地面をとらえ車が道路に戻ったのは15分ほど経ったころだった。達成感があった。私は男2人に礼を言った。運転手は財布を取り出し、男2人に金を払った。
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 あとから考えると不思議だ。あの男たちは何者だったのだろう? 運転手が金を払っていたということはJAF的なひとたちだったのか。そのわりには到着が早かった。しかも彼らは歩いてやってきた。また私はあのとき、何語で話していたのだろう? ネパール語のはずはないし、英語だって通じるはずない。

by photo-by-kohei | 2013-01-05 15:25 | Nepal


デジタル一眼初心者が、四苦八苦しながら写真を撮ります


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