Facebookのこと
ジョン・カーソンから一昨日、メッセージが送られてきた。「5月に日本に行くことになったよ。koheiは東京にいるのかな」。ジョンは台北のホステルで夜、共に台湾ビールを飲んだアメリカ人だ。28歳で、現在はスイスの証券会社に務めている。カリフォルニア大学バークレー校の卒業生というから、かなりのエリートなのだろう。
メッセージはFacebookを通じて送られてきた。いまどき電子メールを使う人なんていないのだ。現地で仲良くなると名前を教え合う。Wi-Fiがあればその場でスマートフォンを使ってFacebookにアクセスし、登録申請をする。すぐに「友達」になれる。外国のホステルでは当然の光景である。海外に出ると、若者でFacebookを使っていない人を探すほうが難しいくらいである。
中国人学生のウォンと2年前、熱く語り合ったことがあった。リスボンのホステルでのことだ。北朝鮮が日本に向けミサイルを発射した夜で、日中韓の歴史について話をした。ウォンが不満だったのは、意外にも歴史のことではなかった。ウォンが批判したのは、日本政府の中国人観光客に対する姿勢についてだった。中国人で当時日本観光ができたのは、かなりの富裕層に限られた。日本政府が不法滞在を恐れたためだ。ビザの発給基準は、かなり厳しかった。
ところが日本政府は2010年7月、受け入れ基準の大幅な緩和に踏み切る。対象となる中国人は、これまでの10倍の1600万世帯になった。私はこのことについて、ウォンにメッセージを送った。一緒に話をしてから、もう1年以上も経っていた。だが返事はすぐ返ってきた。昔なら、旅先の出会いは旅先で終っていた。いまでは何年経っても、コンタクトが取れる。
とはいえ私も「パリへ行ったらこの住所を訪ねてみてくれ、僕の友達が住んでいる。きっと
よくしてくれるから」「ありがとう、いつかまた会える日を楽しみにしてるよ」というような
旅先での出会いに憧れないこともない。会えるかどうかわからない別れのほうがずっとドラマ
チックではある。Facebookを知らない、理解したがらない世代というのは確実に存在するだろう
よくしてくれるから」「ありがとう、いつかまた会える日を楽しみにしてるよ」というような
旅先での出会いに憧れないこともない。会えるかどうかわからない別れのほうがずっとドラマ
チックではある。Facebookを知らない、理解したがらない世代というのは確実に存在するだろう
by photo-by-kohei
| 2011-01-20 22:05
| 台湾