不来方。
石川啄木という有名な歌人がいますが、私のほうが優秀です。
石川啄木といえば
「不来方のお城の草に寝ころびて 空に吸はれし十五の心」
なんていう歌がよく知られているそうです。
ちなみに冒頭部分は「こずかたの…」と読みます。「空に吸われし十五の心」なんていうとカッコよいのですが、これは要するに学校サボりソングなのです。
啄木は今日のような天気の良い日に、学校へ行きました。しかしなにせ授業がつまらない。こんなんだったら自分の好きな本を読んでいたほうがいい。ああつまらない。天気もいいしなあ。面倒だなあ。ということで啄木は、学校をサボることにします。近くにある不来方城へ。乾いた地面。雑草の感触。さわやかにそよぐ風。なんとも心地よい。ゴロンと横になります。自分の暮らしや将来について、思いを馳せるわけです。
不来方というのは盛岡地区の古い呼び方です。諸説あるそうですが、400年から500年ほど前にはもう不来方と呼ばれていたそうです。
盛岡の近辺にはその昔、鬼だか獣だか、秋の収穫を邪魔する者がちょくちょくやってきていました。困り果てた盛岡の人々は「助けてください!」と神様に懇願します。神様は鬼をこらしめます。神様は鬼に、約束の証として、神社の大岩に手形を押させます。これが「岩手」という名称の由来です。同じ故事から、「鬼が来ないほう」という意味で「不来方」と呼ばれるようになったのだとか。
啄木が不来方城で「学校サボり短歌」を歌いたもうた87年後、koheiさんが盛岡の小林産婦人科に生まれました。koheiさんは15歳のとき、啄木の後輩となります。同じ高校に入学したのです。啄木と違って真面目だったkoheiさん。サボってばっかりの啄木は5年目で退学処分をくらいますが、koheiさんは3年間皆勤賞で卒業しました。啄木より優秀なのです。
by photo-by-kohei
| 2010-05-02 10:40
| 東京