うまそう! な焼きソバの表現のハナシ
私には幼いコロ海外で暮らした経験があったりまた最近ではロンドンに1年間留学していたこともあり、まわりからはアナタ英語できるんでしょ? 英語カンペキなんでしょ!? なんてことをよく言われるのですが、そうではありません。やはり私には、私が日本語で伝えられることのうちのほんの少しだって、英語で伝えることはできないのです。
さらに噛んで行くと、ホコホコとしていた麺が次第にホロホロと崩れていき、さらにペトペトになって、そこから麺の甘味、ソースのスパイシーな辛みとしょっぱ味などが湧き出てきた。たとえばこういう文章に出会ったとき、おんなじことを英語で表現してみなさいなんて言われても絶対に! できないワケなのであります。もう絶ッ対に。
次にキャベツと豚肉と麺とをいっぺんにとって、それを口に入れて噛んだ。すると今度は、キャベツのシャキリ、コリリとした歯応えの中から、とても健康的な甘味、豚正肉のシコリコリリ、脂身のピロンピロンとした中から濃いうま味とペナナとしたコク、さらに麺からの甘味、ソースの辛みなどが口の中で混然一体となり、いやはやとても美味であった。
(小泉武夫「食あれば楽より」日本経済新聞10日夕)
いや、というかコレくらいになると、たとえ日本語でも、自分では表現できないですね。小泉氏、お見事な文章です。スゴイなあ。
by photo-by-kohei
| 2009-12-14 23:54
| ◆食べる